【マンション】マンションの窓リフォームについて!どうやるのかや注意点を紹介します

知識

分譲マンションには一軒家にはない違いがいくつかありますよね。

たとえば専有部と共用部があるということが挙げられます。
専有部とは部屋の中、共用部はそれ以外のものです。
専有部は自分のものですので自由にできますが、共用部はマンションに住んでいる人みんなのものですので使い方に制限があります。

ベランダは共用部ですが、窓はどうでしょう。
実は窓も共用部です。
自分しか使わない共用部を『専用使用部』と呼び、ベランダと窓のことを指します。

「窓の性能を改善したいけど共用部だし…」という悩みを解決できるように書きました!

【こんな人におすすめ】
・マンションに住んでいる
・マンションに住もうと考えている
・窓が結露する
・窓付近が暑い/寒い
・近隣の音が気になる
・冷暖房費が高すぎる
・大規模修繕の計画に窓がない

マンションの窓に注目してますが、一軒家の窓と対比して紹介しています。

まどぬし
まどぬし

今一軒家に住んでいる方にもきっとためになるはずです!

マンションの窓のリフォームとは?

マンションの窓は共用部です。
なぜなら外観に影響するからです。

分譲マンションとはいっても一軒の建物なので、全体のイメージや統一感が大事にされています。
一か所だけ色の違うベランダとか、一か所だけ雰囲気の違う窓が入っていたら違和感になってしまうので、共用のものとして管理されることになります。

一軒家は丸ごと自分のものですので好きにできますが、マンションはそうはいきません。
したがって、マンションの窓をリフォームするのは一面丸ごとがルールでした

しかし、2016年に戸別に窓の改修ができるようになったのです。
国土交通省よりマンション管理の適正化に関する指針が告示され、区分所有者の責任と負担で窓の改修ができることが明記されていました。

なぜこれまで外観を大事にしていたのに、戸別に改修できるようになったのでしょうか。
それは、マンションの窓の性能が悪すぎるからです。

マンションは定期的に修繕されます。
エレベーターやエアコンの点検、外壁の点検・補修、屋根の点検・補修などが数年ごとに行われ、20~30年に1回大規模な修繕が行われます。
この修繕のために毎月修繕費用を積み立てているのですが、費用が足りなくなる場合がまあまああります。
その時削る工事が『窓』です。
外壁や屋根のほうが建物として重要っぽいですし、窓はまだ使えるので建てた当時のグレードから替えないことがあまりにも多すぎました。
費用の問題だけでなく、もともと窓の改修を計画に組み込んでいなかったり、窓の改修を気に掛ける機会がなかったりと、本来しなければいけないマンションの窓改修がなされていないことが今問題になっているのです。

従来では、部屋の窓をリフォームしたいと思ったらマンションに住む住人や管理組合で決めなければならず、ハードルが物凄く高くなっています。

それを改善するために、区分所有者が自分の責任と負担で修繕ができるようになったのです。

まどぬし
まどぬし

できるようになったとはいえ、理事組合に申請し、承認される必要はあります。
まずはお住まいの管理組合に申請をしましょう!

窓の性能が悪すぎるとは?

機能と性能を区別して考えてみましょう。

機能とは、できることです。
・光を取り入れられる
・空気を入れ替えられる
・出入りができる

性能とは、能力のことです。
・断熱性能
・遮音性能
・水密性能
・気密性能
・耐風圧性能
・防犯性能
・防火性能

まだ開け閉めができるから(機能しているから)と言って見過ごされがちですが、歪みなどで性能が落ちることがあります。
また築年数が長ければ、その分昔の技術で作られた窓を使っているということでもあります。
スマホや家電も技術が上がって省エネなのにパワフルなものが出てきたら、仮にまだ使えるとしても買い替えて快適にしようとしますよね。

窓もまったく同じで、当時は一枚のガラスにアルミサッシが定番でしたが、今の定番はトリプルガラスに樹脂サッシです。
ちなみにちょっと前は、ペアガラスにアルミと樹脂のハイブリッドサッシが定番でした。

昔すぎる技術+劣化による歪みなどで、窓の性能が絶対的にも相対的にも悪くなっているのです。

窓の性能が悪いとどうなる?

窓の性能が悪いと

・ヒートショックで亡くなる
・部屋の温度差が大きくて、脳と心臓にダメージを与える
・冷房も暖房も効きが悪い
・結露がひどい
・外の音がうるさい

こういった、健康面・経済面・快適面・環境面で問題が起きます。
逆に性能が改善すると、この問題も改善します。

窓リフォームのメリットはこちらの記事で詳しく紹介しています!

他国に比べて環境の取り組みが遅れている理由のひとつに『窓の性能』が挙げられるほどです。
窓の性能を改善するために国は、とんでもない補助額を出す補助金制度に取り組んでいます。
窓に特化した補助金なんてめずらしいと思いますが、それだけ深刻なのです。

もしよければチェックしてみてください。
先進的窓リノベ2025

マンションの窓ってどうやってリフォームする?

マンションの窓をリフォームする方法は3つです。

・内窓設置
・ガラス交換
・カバー工法

内窓設置

窓の周りを囲っているこの部分を『窓枠』と呼びます。
ぬいぐるみや小物を置きがちですよね。

窓枠にピッタリ納まるように設置する窓を『内窓』と呼びます。
外の窓と合わせて二重になるので、内窓がついている状態を『二重窓』と呼びます。

これは室内なので専有部の工事です。

まどぬし
まどぬし

そもそも申請が必要ない工事です!

内窓

窓が二重になることで、外窓と内窓の間に空気の層ができて断熱性能と遮音性能が高まります。
工事費用も5~15万円ほどなので、他の工事に比べてコスパがいいのも特徴です。

ガラス交換

窓は、『枠』と『障子』でできています。
枠とは躯体に固定されているもの、障子とは可動部分です。

障子は、『框(かまち)』と『ガラス』でできています。
ガラスを囲っているのが框です。

框からガラスを外して、新しいガラスを入れることをガラス交換工事といいます。

ガラス交換工事は管理組合に申請をし、承認をもらう必要があります。

ガラス交換に使うガラスでおすすめのものは真空ガラスです。
2枚のガラスを重ねて、間を真空にしたガラスで、断熱性能と遮音性能が非常に高いです。
断熱性能は、一般的なペアガラスの2倍で、一枚ガラスの4倍あります。
遮音性能は、防音ガラスと同じくらいあります。
予算は3~10万ほどで、大きさとグレードによって変わります。

ガラスは窓のなかで一番面積の大きいものですので、ガラスを替えるだけでも効果的です。
東京地域だと、一枚ガラスに比べて年間で4万円も電気代が下がるシミュレーションもあります。

カバー工法

窓の可動部(障子)を外すと、枠のみになります。
この残った枠の上に、新しい枠と新しい障子をかぶせる工事方法をカバー工法といいます。

一回り小さくなってしまうデメリットはありますが、枠と框とガラスを新しくすることができるので効果を最も感じやすい工事方法です。
予算は20万~と他の工事に比べると高いです。
しかし、冷暖房費や健康、快適さに換算してみると結局元がとれてしまいます。

窓リフォームでお金がかかるのが初期費用のみです。
窓を使うのにお金はかかりません。
スイッチングコストだけでなく、ランニングコストも一緒に計算してみると良い投資だと思います。

カバー工法専用窓という商品があり、マンション用のものもあります。
YKKのマンション用マドリモがおすすめです。

工事別の費用

費用内窓ガラス交換カバー工法
大きめ10万~5万~25万~
小さめ5万~3万~20万~
内窓ガラス交換カバー工法
手軽さ
費用
性能向上
種類
快適さ

内窓のメリットは、手軽な工事でコストが安く、性能もかなり期待できることです。
デメリットは、外窓と二重になるので開け閉めが2倍になることと外窓の性能は変わらないということです。
ただ、室内の工事なので管理組合への申請は必要ありません。

ガラス交換のメリットは、工事が手軽で安く、窓の一番大きい部分を改善できるということです。
デメリットは枠や框はそのままなので、アルミサッシの場合、アルミ部分に結露がでてきてしまうことです。

カバー工法のメリットは、枠と障子どちらも新しくできるので性能や快適さが相当期待できることです。
デメリットはややコストがかかってしまうことと、窓が一回り小さくなってしまうということです。

ちなみに、どの工事も一日で終わりますので、工事の間に別の場所に住む必要はありません。
注意点として、カバー工法とガラス交換は場所によっては足場が必要になることがあります。
ベランダなどで作業ができればいいのですが、工事中に落下してしまうおそれのある場所や間取りであれば足場の確認をしておくとよいでしょう。
足場を組む必要がないとしても、高所作業車を使った工事になるということもあり得ます。
特に高層階は注意が必要です。

まどぬし
まどぬし

おうちの状況によるので、見積もり時に確認しておくといいですね!

おすすめのリフォーム

個人的には、ベランダの窓はカバー工法、他の窓には内窓を設置するのがおすすめです。
ベランダは出入りするので、開け閉めが2回だと煩わしいですし、大きい窓は元をよくするのが一番効果があります。

他の小さめの窓もカバーできればいいですが、予算や足場の問題も絡むので内窓をササっと取り付けてもらうのがいいと思います。

工事費用の計算は大体の場合『人工(にんく)』で計算します。
人工とは、人数のことです。
2人必要なら2人工、2人で2日かかるのであれば4人工となります。
工事は1時間で終わるけど、持ち上げたり運んだりするのに2人必要なら1時間の工事でも2人工です。

工事をお願いするときのコツは、『まとめてお願いする』です。
今回1か所、5年後もう1か所と分けるのではなく、今回5か所まとめてやってください、という感じです。
5か所でも、2人で一日で終わる規模なら工事費用は2人工で済みます。

ベランダの窓が大きければ運ぶのに3人必要という場合も十分あります。
でも工事の手は2人で足りれば、もう一人には小さい窓をリフォームしてもらうということも可能です。

まどぬし
まどぬし

計算方法は業者によって変わるので何社か見積もりをとってくださいね!

まとめ

マンションの窓リフォームについて紹介しました。

一軒家でも窓を見直す機会はほとんどないので、マンションだと余計に…ですよね。
国や世界の窓の捉え方が変わってきているので、紹介したようにルールが変わったり、充実した補助金を出したりしているのです。

冬に結露する窓は、住宅としての性能を満たしていないレベルの窓です。
ペアガラスであれば、よっぽど加湿しているとかない限り結露なんてないんです。

音もそうです。
外の音も窓から入ってくる場合が多いのです。

室温と音を改善させるためのポイントは『窓』だということをまず知っていただけると嬉しいです。

まどぬし
まどぬし

最後までお読みいただきありがとうございます!

窓リフォームの流れやポイントをこちらで紹介していますので、合わせてチェックしてみてください。

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