玄関は一日でリフォームができてしまいます。
玄関というカテゴリーには【玄関ドア】と【玄関引戸】と【勝手口】の3つが含まれており、3つともカバー工法という方法でリフォームすることができるのです。
玄関は家の顔とも言われているくらい住宅の雰囲気に影響を与えますし、防犯や介護の面からも機能を向上させたいと考えることもあると思います。
この記事では、玄関のリフォームのメリットや工事方法、費用を紹介していきます。
【こんな方におすすめ】
・玄関が古くなってきた
・開け閉め、施錠がしにくくなってきた
・防犯性能が気になる
・ドアから引き戸にしたい
・新しいデザインが気になる
・顔認証やスマホでカギを操作できるようにしたい

顔認証のドアもあるんですよ!
玄関ってどうやってリフォームするの?
玄関には、【ドア】【引き戸】【勝手口】があります。
ドア⇒ドア、引き戸⇒引き戸、ドア⇒引き戸とリフォームすることができ、ドア⇒引き戸は車いすで通りやすくしたいときに選ばれます。
玄関は、【枠】と【本体】で構成されており、枠は柱に取り付けてあるもので、本体は可動部のことです。
したがって玄関を丸ごとリフォームするためには、壁を壊して柱から枠を取り外さなければいけません。
工期もかかりますし、お金もかかります。
そこでカバー工法という工事方法が出てきました。
玄関のカバー工法とは?
カバー工法とはドアの本体である可動部を取り外し、新しい枠を古い枠の上に覆いかぶせる工事方法です。

ドアは丁番と呼ばれる金具で止めれているので、丁番を外します。
引き戸は上下のレールを滑って開閉していますので、そのまま取り外します。
そうすると枠だけ残った状態になりますので、そこに新しく枠を取り付け、新しい本体を設置して、つなぎ目の部分に額縁と呼ばれるカバーで隠し完成です。

カバー工法のメリット
カバー工法のメリットは【早くて】【安い】ということです。
従来の工事方法では、壁を壊したり補修したりという手間がありますので数日はかかります。
カバー工法では一日で完了します。
一日で終わるということは数日分の費用を削減できるということでもあります。
玄関工事自体高い工事ではありますが、従来の工事に比べると格段に安いです。
カバー工法のデメリット
カバー工法のデメリットは【一回り小さくなる】ということです。
既存の枠の上にカバーするので、その分小さくなります。
小さくなるといっても出入りに支障が出ることはありません。
玄関には製作可能な最小寸法があります。
あまりに小さすぎる玄関はそもそも作れないのです。
例えばLIXILのリシェントという商品は、一般的なデザインのもので横幅764mmが最小寸法です。
高さも1,739mmが最小寸法となっていますので、これより小さいドアは作れません。
一般的なドアは横幅900mm×高さ2,000mmくらいはありますので、カバーしても出入りには支障が出ない設計になっています。
もし今のドアがかなり小さく、これ以上小さいと不便だと感じるサイズであればそもそもカバー工事ができない可能性がありますので、その場合は従来の工事方法でリフォームする必要があります。
リフォームできる玄関は?
玄関ドア ⇒ 玄関ドア
一口に玄関ドアといっても種類があります。
画像はLIXILさんのリシェントのカタログページです。

ランマ付き
ドアの上部にあるガラスを【ランマ】と呼びます。
昔はランマ付きのドアが流行りましたので、付いているお宅も多いのではないでしょうか。
今のランマを外し、一枚の大きいドアにすることができます。
大きいドアは高級感が出ますし、広く感じます。
ガラスが割れてしまった場合のメンテナンスも考える必要がありません。
もちろん、ランマ付きからランマ付きにすることもできます。
明かりを取り入れられるので、玄関が明るくなりますね。

親子ドア
ドアの横にあるもう一つの細長いドアを【子扉(ことびら)】と呼びます。
出入りするメインのドアは【親扉(おやとびら)】です。
横幅が広いので出入りがしやすいドアです。
既存が親子ドアは、親子ドアのままでリフォームする場合がほとんどです。

袖付きドア
ドアの横に、開けられないガラスや格子があるものを【袖】といいます。
一方にある場合は【片袖】、両方にある場合は【両袖】です。
両袖は豪邸のイメージがありますね。
袖の付いているドアを、開け閉めできる親子ドアに交換することができます。
逆に、親子ドアを袖付にすることもできます。

介護などで広い方がいいという場合は親子ドアに、出入り口は小さくていいから明かりがほしいという場合は袖付きドアにするというように、ライフスタイルに合わせてリフォームするのが良いと思います。
玄関引き戸 ⇒ 玄関引き戸
玄関引き戸には【2枚建て】と【4枚建て】の2種類あります。
ご存じのように、引き戸は横幅が非常に広いので2枚建ての引き戸は2枚建てに、4枚建ての引き戸は4枚建てにリフォームしていきます。
ドアで紹介したランマは外すことができます。


玄関ドア ⇒ 玄関引き戸
玄関ドアを玄関引き戸に変えることができます。
これはYKK APさんの【ドアリモ アウトセット引戸】という商品で、ドアの本体を外し、引き戸の枠を外の壁に取り付ける工事方法です。

こちらも車いすでの出入りをしやすくしたいという場合に選ばれます。
ドアだと、外側に開くためのスペースが必要ですが、引き戸の場合は横に必要になります。
横幅にスペースがないとできない工事ではありますので、あらかじめご自宅のドアを確認してみてください。
玄関リフォームをするとどんなメリットがある?
見た目がきれいになる
玄関は雨風にさらされているので色味が変わったり、塗装が剥げたり、傷がついてきます。
数年では気にならないですが、何十年も前の玄関だと家が古く見えてしまいます。
外壁の塗装や庭の状態は気になったら手入れをしますが、玄関はなかなか交換しようとはならないですよね。
劣化や損傷が気になってきたら交換のタイミングかもしれません。
防犯性能が高まる
ドアの防犯性能はどんどん上がっていっています。
カギが上下2つある場合、バールを使ったこじ破りという手口に強くなります。
さらにカギにはデッドボルトというロックがあるのですが、鎌錠と呼ばれるものが仕込まれているデッドボルトは防犯性能が高まります。

室内側にある指で回して施錠・解錠するサムターンが外れる、「セキュリティサムターン」というものもあります。
サムターン回しと呼ばれる侵入手口に強いです。



スマホで操作できるようになる
suicaのように、カードやスマホでかざしてカギを操作することができます。
カードやスマホで操作するカギを【エントリーシステム】といい、電気や電池で動かしています。
このような電気錠はオートロックですのでカギの閉め忘れ防止にもなりますし、閉めるときにもいちいちカギをかける必要もありません。
カードやスマホで操作できれば持ち運びにも便利ですし、カギを忘れる心配も少なくなります。
もちろんカギもあるので、電気錠がやりにくいという場合は手動に切り替えられます。


顔認証でカギの操作ができるようになる
YKK APさんで出している【ドアリモ】というリフォームドアには顔認証システムがあります。
顔で登録をしておけば、カギを忘れたりなくす心配がありません。

画像:YKK AP ドアリモ
採光や採風の機能が付けられる
玄関のデザインや防犯性が高まったことで、閉めたままでも光を取り入れられたり、風を取り入れられるものが増えてきました。
換気は窓だけでなくドアも開けると空気の流れができて効率よく換気することができます。
光も、ガラスを使ったデザインの玄関であればランマや袖がなくても明るくすることができるのです。

画像:LIXIL リシェント
玄関リフォームにかかる費用はどれくらい?
玄関には【ドア】【引き戸】【勝手口】があり、【防火】【非防火】があります。
防火地域には防火の玄関を入れる必要がありますので高くなります。
さらに素材で【アルミ仕様】【断熱仕様】【高断熱仕様】があります。
高断熱仕様は東北よりも北の地域に推奨されているグレードで、やはり高くなります。
大きさや仕様で金額は大きく変わりますので、あくまで参考価格として紹介します。
アルミ仕様 | 断熱仕様 | 高断熱仕様 | |
玄関ドア | 28万円~ | 40万円~ | 58万円~ |
玄関引き戸 | 35万円~ | 45万円~ | |
勝手口 | 22万円~ | 23万円~ |
引き戸と勝手口には【高断熱仕様】はありません。
グレードもPGとSGで表されます。
PGとはペアガラス、SGとはシングルガラスで、使われるガラスのグレードが変わるので、断熱性能もグレードに応じてよくなります。
オプションの有無でも金額が変わりますので、次で紹介するメーカーのカタログを参考にしてみてください。
正確な金額が知りたい場合は工事業者へお見積もりを取ってみると良いです。

玄関メーカー
LIXIL
LIXILは窓や玄関のような建材のほかにも、トイレやキッチン、お風呂などの設備も作っている会社です。
INAXというロゴがあるのはLIXILのものですので、ご自宅の建材や設備にはLIXIL製の商品があると思います。
LIXILの出しているリフォーム用玄関ドアの商品名は【リシェント】です。
リシェントには【リシェント玄関ドア】【リシェント玄関引き戸】【リシェント勝手口】がありますので、すべての玄関に対応しています。
特徴は豊富なデザインとカラーバリエーションです。
カタログを見ると分かりますが、非常に多くのラインナップをそろえています。
もちろん電気錠や防犯・採風採光という機能や性能は持ち合わせているので、どのメーカーにしようか迷っていたらまずはリシェントを調べてみるのが良いと思います。
リシェントのメーカーページはこちら
YKK AP
YKK APも窓とドアを作っているメーカーです。
国内の住宅建材はLIXILかYKK APのどちらかである場合がほとんどですので、窓や建具で使っているメーカーにそろえるという選び方も良いと思います。
YKK APが出しているリフォーム用玄関の商品名は【ドアリモ】です。
【ドアリモ玄関ドア】【ドアリモ玄関引戸】【ドアリモ勝手口ドア】とありますし、アパートやマンション用のドアリモもあります。
特徴は、ドア⇒引戸にすることができる【アウトセット引戸】があるというところです。
これはLIXILのリシェントにはないので、ドアを引戸にしたい場合はドアリモを選ぶことになります。
また、顔認証もドアリモにしかないので機能が豊富と言えます。
どちらがいいかは好みによりますので、カタログを見比べてみると良いと思います。
ただ、私個人としては機能面が優れているドアリモがおすすめです。
まとめ
玄関のリフォームについて紹介させていただきました。
窓と同様、玄関のリフォームを考える機会はほとんどないと思います。
どんなものにも耐用年数があり、玄関はだいたい20~30年と言われています。
築30年くらいの建物であればそろそろ玄関のリフォームを検討時期になっていますので、不具合や劣化具合をチェックしてみて、必要そうであればリフォームしてみてください。
私が建材の会社で働いていた時は、玄関のリフォームの評判が非常に高く、特に電気錠がいいようです。
カードやスマホで開け閉めできるから、スマートに出入りできて便利だという声をよく聞きました。
玄関のリフォームは一生で一回くらいの買い物ですので、自分の納得できるものを選んでみてください。
窓のリフォームはこの記事です。

最後まで読んでいただきありがとうございます!
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